
ミッドシップ(MR)が生む極小ヨー慣性モーメントの奇跡
前後重量配分45:55とドライバーの着座重心
ポルシェ718の最大の武器は、重量物であるエンジンとトランスミッションを前後の車軸の内側に配置した「ミッドシップレイアウト」です。前後重量配分は約45:55という理想的な数値を達成。車両中心から離れた場所に重いパーツがないため、物理的なヨー慣性モーメント(曲がりにくさ・回転のしにくさ)が極限まで小さく抑えられています。ステアリングを切り込んだ瞬間に、フロントタイヤが一切の抵抗なくインへと吸い込まれ、ドライバーの腰を中心に車体が軽やかに旋回する感覚は、リアエンジンの911やフロントエンジンのFRスポーツでは絶対に再現できないMRだけの領域です。

アルミニウム・スチール複合構造ボディの高剛性
ボディシェルには、高張力鋼板とアルミニウムを最適配置した複合骨格を採用しています。オープンモデルであるボクスターであっても、極太のサイドシルとセンタートンネル構造により、クーペ同等の強靭なねじり剛性を確保。荒れた路面を高速で駆け抜けてもスカットルシェイク(車体の微振動や歪み)は一切発生せず、ダンパーとタイヤが路面追従に100%集中できる盤石の剛性基盤を誇ります。
電子制御シャシーデバイス:PASMとPTVの真価
PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)
オプション設定の「PASM」は、車高を10mmローダウンさせるとともに、各ホイールのダンパー減衰力をミリ秒単位で連続制御します。路面のうねりや段差を乗り越える瞬間だけ減衰力を瞬時に緩め、コーナリングやブレーキング時には瞬時に引き締めることで、スポーツカー特有の不快な突き上げを解消し、長距離ツアラーとしての極上の乗り心地とサーキットでのロール剛性を完璧に両立させています。

PTV(ポルシェ・トルク・ベクタリング)と機械式LSD
PTVの作動メカニズムと旋回フィール:
タイトコーナーへの進入時、ステアリング舵角に応じて内側後輪に軽くブレーキをかけることで、外側後輪へのトルク配分を増やし、ヨーモーメント(回転力)を強制的に発生させます。さらに立ち上がり加速時には機械式リアディファレンシャルロックが締結し、420N・mを超える強大なトルクを一切空転させることなく路面に叩きつけます。ドライバーはただ狙った走行ラインをトレースするだけで、超人的な旋回スピードを容易に維持できます。
